助産師:大学看護学科が学生を集めるエサ

今の法律では、助産師は独立資格ではない。看護師の上位資格である。

保健師助産師看護師法(略称:保助看法

第三十八条 助産師は、妊婦、産婦、じよく婦、胎児又は新生児に異常があると認めたときは、医師の診療を求めさせることを要し、自らこれらの者に対して処置をしてはならない。ただし、臨時応急の手当については、この限りでない。

 「異常がないとき」にのみ、医師の関与なしで助産行為を遂行できる。

いつ正常分娩が異常になるのかは誰にも予測がつかない。事前にハイリスク妊婦を除外していても、途中から異常分娩になることがある。

正常分娩時に行われている「助産行為」は看護行為と同じである。助産行為には中身がないのである。

以前に、分娩時の内診(女性器に指を入れて触診すること)を産婦人科看護師がやっていいのかどうかで、業界の慣行(医師と看護師はやっていい)と厚労省の指示(医師と助産師のみやっていい)とで意見が割れて、大混乱になったことがあるが、看護行為に含まれない助産行為とは、結局、それだけである。

助産師が単独で開設できる「助産所」も、協力産科医の不足のために数が減るばかりだし、助産師の95%は助産所ではなくて、産婦人科病院やクリニックで働いている。

一部の大学看護学科では、助産師資格をエサにして学生を集めている。看護師が助産師も取得して、プレミアがついた気分になっている。残念ながら、助産師は産科看護師と給与も職務も同じで、余計に払った学費は全く無駄になっている。

18歳の女性が資格で騙されるのは仕方がないのだが、親も、700万円に達する大学学費を払う前に、この欺瞞に気づくべきではないか。