パソコン昔話:ネットバトルはなぜなくなったのか

昔々、インターネットが商業利用開始される以前、一般人がアクセスできるネットワークといえば、音声回線を利用したパソコン通信しかなかった。

NEC富士通や日経などが大手サービサーだったが、個人でも、パソコンをサーバとして使うことで、電子掲示板を運営することができた。

その頃は、掲示板(電子会議室)内で、年中、論争が生じた。

その頃の様子を活写した小説が、

筒井康隆コレクションVII朝のガスパール

である。

ところが、ウェブが一般化するにつれて、論争はどんどんなくなっていった。

議論の場が無制限に増えたので、主義主張が違う人は、気の合う仲間のいるところに閉じこもったからだと思う。SNSができる以前の話だ。

これで平和になったのかといえば、そうでもない。

グループ参加者の中の「裏切り者」が、グループの情報をTwitterInstagramを使って、広く拡散させてしまうことがある。