80年代の終わりごろ、半導体エンジニアが10万人足りないといわれて、俺、大学で半導体の研究室にいったんだ。でも、当時の同級生はみんなリストラされているよ。00年代の終わりごろ、法曹が10万人足りないといわれて、俺、司法試験を受けたんだ。でも、同期はみんな(以下、省略されました
— 高橋雄一郎 (@kamatatylaw) April 19, 2019
高橋雄一郎氏のこのTweetは重大かつ本質的な問題を含んでいる。
80年代の終わりごろには、医療職は余るし、他の産業の技術者は不足すると思われていた。
当時の日本の産業が、そのまま成長していくと思われていた。だから、誰も、理工系や生物学系に進むことを躊躇しなかった。
東芝や日立がリーディングカンパニーだと思っていた。その次はバイオ産業が盛んになると思われていた。
当時、どういう根拠で「医者あまり」なんて言われていたのかわからない。当時ですら、超高齢化は予測できていた。
80年代にはろくに医学部進学ガイドブックはなくて、私が読んだ本が唯一それらしかった。情報は乏しくて大した本じゃなかったが、以下のくだりは正鵠を射ていた。
かつてボーリングがブームになったことがある。日本中にボーリング場ができて、人々はプロボーラーになりたがった。すぐにブームは終わり、ボーリング場は廃墟となり、プロボーラーは職を失った。人々が有望だと思うときには、すでに産業はピークを越していることがある。職業や産業の予測は当たらないものだ。