政見の異同のみ

盛岡にて 戊辰殉難者の五十年祭を営みける時 祭文を求められ 余は戊辰戦
争は政見の異同のみ 誰か朝廷に弓ひく者あらんや と云ってその寃を雪げり

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戊辰殉難者五十年祭前夜に、原敬が書いた掛け軸。

この一文は「ある明治人の記録」あとがきにも引用されている。

「勝てば官軍」の俗謡に反論して、「朝敵」盛岡藩藩士の子、原敬が言いたかったのは、勝者が正しいのではないし、敗者が間違っているのでもない。政見の異同があるのみだということなのだ。

旧幕府軍も新政府軍も、朝廷に服属することでは一致していたが、誰がイニシアチブを握るかで対立しただけなのである。