福祉施設に入りたくない男の放浪記

ホームレス作家 (幻冬舎アウトロー文庫)

松井計という作家が、生活に困窮して賃貸住宅を追い出されて、妻子とも別れて、半年ぐらい放浪した話。

妻子は母子用の福祉施設に入っていて、いちおう衣食住はある。

「成人の男は優先順位が低いから施設に入れないのだ」

という、根拠不明の説明だけがあり、松井氏は、ダラダラと友人宅を泊まり歩くのである。

この人は、福祉施設に入りたくないから、その周辺をウロウロしていただけなのである。友人に金を借りたり、他人の家を泊まり歩くなど、友人関係を破壊するだけで、何の利益にもならない。

実際に路上で寝たことは一度もない。

「路上で練ると、汚れや匂いが体にしみついて一般社会から排除される」

というもっともらしい説明があるが、要は、路上で寝るほど追い詰められていなかったということなのだ、