生活の困窮は低所得のみで生じるわけではない。生活困窮の最も根源的な問題は、家族や地域社会という人間の絆のネットワークに抱かれることのない、社会的孤立にあることを忘れてはならない。格差や貧困の拡大が叫ばれ、生活困窮の問題が深刻化するにつれ、地方自治体の使命は膨れあがるばかりである。
— 神野直彦bot (@bot_jinno) May 12, 2021
上記の一般論を私は信じていたのだが、実情を見る限り、逆だと思える。
現代の日本社会では、生活の困窮は、家族内扶養によって生じるのである。
端的な例が、老親の扶養だ。
世帯分離によって老親を生活保護にして、政府に任せれば、特に何の問題も生じないのだが、家庭内で扶養、介護をやろうとするので、離職したり、あるいは、就業に制限が生じたりして、所得が喪失し、家族全体が困窮していく。
こうなってしまう理由は、高齢化である。
一人っ子同士が結婚したとすると、扶養すべき老親は最大4人となる。夫婦ふたりで、子供の世話をしながら、老親をどうやって扶養するのか。無理だろう。
90歳の老親を、70歳の子が扶養しているのである。
社会的扶養、つまり、社会保障の形で、負担を分散させねばならない。