コラム:養育費の徴収と母子世帯の経済的自立/労働政策研究・研修機構(JILPT)
アメリカでは、離婚あるいは別居親が、監護者に対して支払う、いわゆる「養育費」の取り立てが厳しいことで知られている。
養育費を払わないと、裁判所命令で拘禁されてしまうのだ。
これはたまらん。
そんなわけで、シンママ、シンパパの8割は養育費をもらっている。
一方、日本のAVでは、「中出し」「孕ませ」の設定が非常に多い。女を妊娠させた上で男は逃げてしまうのである。女性にとっては大変な災難である。
このため、セックスは女性に対する暴力行為として劇中では機能している。
養育費取り立てが緩い日本だから、こういう設定が成立するのである。
もしも、養育費取り立てがアメリカなみに厳格になったらどうなるであろうか。
男性が女性を妊娠させてしまって、もしも出産されると、たとえ男女間に婚姻関係がなくても、親子に何の交流もなくても、子供が成人するまで、最低18年は子供の養育費を払わねばならないのである。
欧州だと、児童手当や養育サービスが充実していて、こどもの養育で家計が苦しくなることはあまりない。シンパパ、シンママが困ることは大してない。フランスのリセ(高校)には保育所が併設されているのである。
「孕ませ」なんとかという設定は、特殊的日本状況でのみ成立するのだ。
まさに日本の病理である。
AVを見ていて社会問題を考察することもできるのである。