大学院生は、学位取得後にポストがあるのかどうかもわからないばかりか、どういう職に就くのかすら未定の状態で、キャリア形成に最も重要な20代中盤の時期を使わねばならない。
勝ち目が少ないギャンブルなのだが、理系の東大生は、あまり考えずに大学院進学をして、大半が賭けに負けてしまう。
ここで言う「負け」とは、専攻分野と無関係な職に就かねばならないことである。
しかし、アカデミアだけではない。
アートでもスポーツでも芸能でも、大半の分野は負ける可能性の方がずっと大きくて、投資効率はマイナスになる。
多くの若者の青春を肥やしにして、優れた研究、アート、芸能が生まれ、社会が豊かになるのだ。
しかし、私は肥やしにはなりたくない。果実だけを貪りたい