「ヘドロのアリス」最底辺風俗嬢の物語

ヘドロの国のアリス (つばさパブリッシング)

すらり と 伸び た 手足 に 折れ そう なほど くびれ た 腰、 豊満 で 肉付き が 良く、 それでいて 形 の 良い 尻 に 小ぶり だ が つんと 上 を 向い た 乳房。   彼女 は 美しかっ た。   ただし、 それ は 左 半分 だけの 話 だ。   彼女 の 体 は 右 半分 は 顔 と 同じ よう に 醜い ケロイド が ぼこぼこ と 盛り上がっ て おり、 縮れ た 皮膚 が 幾重にも 重なっ て 硬く 変質 し て しまっ て いる。   左 半分 は 白く 陶器 の よう な 滑らか で 毛穴 さえ 見え ぬ 美しい 肌 だ と いう のに。   彼女 には 美女 と 醜女 が 同居 し て いる。   右 と 左、 全く の 別人 の よう だ。

新月. ヘドロの国のアリス (つばさパブリッシング) (Kindle の位置No.73-78). Tsubasa Publishing. Kindle 版.

主人公アリスは、親に虐待されて、右半身に火傷が残る底辺風俗嬢という設定。

この設定、無理がある。

若く、左半身は美女で、右顔面の火傷を髪で隠してる風貌って、絵的にはアピールするけれども、現実にはそれで客がつかないということはないでしょう。

最底辺風俗嬢って、年取っていて、デブで、ブスの三重苦なんだよ。

それと比較したら、醜いケロイドが半身に残っている程度は、まったく問題にならない。

しかし、主人公を、40歳、デブ、ブスの風俗嬢ということにしたら、読者が読まないだろう。小説にならない。

そこに目をつぶったら、最底辺風俗のルポルタージュとして読めなくもない。

著者の体験や見聞が入っているから、半分くらいは事実なんだろう。