高校化学教育は9割ぐらい不要

私は医学部も出ているが、薬学部も出ている。

薬学系研究科のラボでは合成化学を担当した。

だから、化学については、いくぶん詳しい。

その上で、言うのだが、高校化学で教えられている内容の9割は、何の発展性もなく、断片的な知識であって、学問的にも産業的にも役立たずなので、廃止した方がいいということである。

目次|詳細(化基317 高校化学基礎 新訂版)|理科|高等学校 教科書・副教材|実教出版

ここの教科書目次をざっと見ると、大学以降で発展的な領域といえるのは、周期律、化学量論計算、化学平衡だけである。

周期律は量子論の入り口だし、化学量論計算ができないと化学式がわからない。化学平衡は、熱力学とつながっている。

他の部分は、ただの「知識」である。読めばわかる程度の話でしかない。それなのに、高校では結晶の格子定数を計算させたり、イオンの色の変化を暗記させたりするような、不毛なことをやらせて、高校生に時間を費やさせている。