回復不能の病気にかかって、絶望すると、安楽死をさせてほしいという要望が患者から出てくることがある。
四肢が動かないALSや頚椎損傷の患者ならともかく、立って歩ける人すら、安楽死を望んだりする。
規制が厳しくて、ピル1個で死ねるような毒物はなかなか手に入らないんだけど、首を吊ることは誰にでもできる。
厳しく監視されている拘置所や刑務所の中でも、しばしば首吊り自殺が発生するのだから、ヨロヨロしているだけの病人ならば、首吊りは簡単なことだろう。
詳しくは、完全自殺マニュアルという本に書いてある。
ほとんどコストがかからない、苦痛のない死に方があり、刑務所でも精神科病院でもない限り、誰も見張ってはいない。誰の手を借りなくても、すぐ自殺できる。
それなのに、医師や介護者に対して、患者が自分を死なせてくれと言うのは、自分をかまってほしいというサインなんだと思う。そんな患者は、できるかぎり、かまってあげることにしている。
死なせるのではない。かまってあげるのだ。