高校:少し遠いところに行きたかった

生家から歩いて20分の距離に県立普通科高校があり、それなりの評価を得ていた。

そこにすんなり進学すれば、通学は楽で、特に何の問題もないと周囲は思っていたようだが、自分は嫌だった。

地縁血縁が濃すぎるからだ。

知り合いがいたら何かと便利だとか心強いとかいう考えは、周囲と関係が良好な場合の話であり、私はそうではなかった。

いじめられていたのではないが、中学からの持ち上がりの連中と、つきあいたいとも思わなかった。

人間関係をリセットしたかった。

だから、電車で20分、駅から歩いて40分の場所にある、少し離れた県立高校に入った。

しかし、そこも、決して居心地は良くなかった。

自動自得とはいえ、通学が不便すぎた。田舎なので、各駅停車は1時間に1本以下だし、駅から高校までの距離が遠すぎて、通学だけで疲労した。

教員たちは、数学を除けば、ごく平凡な人たちだったが、そもそも授業など聞く必要はなかった。自分で学習できたからだ。効率が悪すぎてイライラした。多分、1年もあれば学習できたことを、3年かけていた。

結局、私は高校へは進学すべきではなかった。

大学入学資格者検定対策の学習塾へ通えば十分だったのだ。