痛みを放置するペインクリニック

中年以降の人々の大半が整形外科領域のトラブルを持っています。

原因は様々ですが、首、上肢、下肢、腰などに慢性的な痛みやシビレがあります。

痛みの制御は麻酔科医の専門領域であり、麻酔科外来、いわゆるペインクリニックが日本中にあるのですが、彼らは麻薬鎮痛薬の外来処方には消極的です。

日本ペインクリニック学会

病院内ではルーチンで麻薬を使っている医師が、麻薬鎮痛薬の外来処方に消極的である理由は、処方の手続きが少しばかり複雑で、それをクリアすることがめんどうくさいからです。

私は、昨年、頚椎から来ていると思われる、両上肢の痛みとシビレに悩まされていました。

こういう「慢性疼痛」には、麻薬性鎮痛薬が著効することがあります。

製薬会社も、慢性疼痛向けの麻薬性鎮痛薬を発売し、処方医にe-Learningをしたり、登録制にしたりして、慎重ではあるが、外来処方をさせたいと思っています。

https://www.pmda.go.jp/files/000226258.pdf

これは従来からある貼付型オピオイド。徐放剤なので、一気に気分が高揚することはないでしょう。

乱用を難しくした新剤型のオピオイド鎮痛薬:日経メディカル

オキシコンチンTRは、錠剤を粉砕して液状化して大量服用するという従来の手口が使えないよう、ハンマーでも砕けないほどの堅牢な製剤加工をした上で、消化管内でゆっくりとしか溶けない構造になっています。

 ところが、私が受診したペインクリニックは、どれだけ頼んでも、麻薬鎮痛薬の外来処方をしてくれませんでしたので、同僚に頼んで、フェントステープを処方していただきました。

効果は劇的でした。それまで、上肢の痛みのために、重い荷物を持つことすらできなかった自分が、今や、まったく痛みを感ずることなく、日常生活をすることができます。

このような「見捨てられた慢性疼痛患者」が日本にはまだ多いと思います。