虫垂炎を「盲腸」と呼ぶ慣習はなぜ続くのか?

消化器外科医が1年目に執刀させられる症例ベスト3は、虫垂炎、胆嚢摘出、鼠径ヘルニヤだそうである。

それだけ頻繁に手術対象になる虫垂炎なのだが、虫垂炎の話をすると、若い人から老人に至るまで、全員が、

虫垂炎?盲腸のことですか?」

と聞き返す。

一体、誰が「右下腹部が痛くなる病気は盲腸と呼ぶ」と吹き込んでいるのか?

虫垂炎 - Wikipedia

虫垂炎は旧来盲腸炎(もうちょうえん)と呼ばれていた時期があり、これは昔、診断の遅れから、開腹手術をした時には既に虫垂が化膿や壊死を起こして盲腸に張り付き、あたかも盲腸の疾患のように見えることがあったためである。

 とあるのだが、そんなことが頻繁にあったのは、CTがなかった20世紀前半までだろう。

ところが、21世紀以降に生まれた人までが、「盲腸」と言い換えないと通じない。

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「Dr.コトー」より引用