定期健康診断としての胸部レントゲン検査は止めるべき

厚生労働省:労働安全衛生法においける胸部エックス線検査等のあり方検討会第2回資料

なんとなくわかってたことを、まとめて文章にしてくれていて、非常に助かる。

要約すると、

  1. 全員無差別定期に行う胸部レントゲン検査に適している疾患は肺結核だけである
  2. 結核ですら、有病率が減少し、発見率が落ちている。検査前確率を高めることなしに、無差別検査を行う場合は、デメリットがメリットを上回る
  3. よって、肺結核発見目的での胸部レントゲン検査は、ハイリスクグループに絞るべきである。

学校健診では、胸部レントゲン撮影を全員に毎年行うことはしていない。

http://www.hcc.keio.ac.jp/ja/research/asetts/files/36-6.pdf

住民健診でも胸部レントゲンをやらないケースが増えている。

職域健診のみ、定期レントゲン撮影を漫然と続けているのである。

私が以前に勤務していた訪問診療クリニックでは、ポータブルレントゲン撮影装置を家庭や施設に持ち込んで、患者全員に、半年に1回ずつ胸部レントゲン撮影をしていました。もちろん、これで新たな疾患が見つかったことは一度もなく、診療報酬を増やすための検査でしかなかった。

呼吸困難とか肺炎疑いとか骨折疑いだったらレントゲン撮影に意味があったと思うが、定期撮影をやっていたので、レントゲン車の運行スケジュールがギリギリまで詰まっていて、オーダーしても、実際に撮影されるのは数日後になってしまって、急場の役にたたなかった。