最高傑作なんだけど、初心者にはわからない

「逆シャア」は、ファースト、ゼータ、ダブルゼータという３作品の積み残しをすべて精算し、主要キャラのその後も描写し、アムロとシャアの対決にも決着をつけた大傑作だが、過去の作品の記憶がないとストーリーが全く理解できない困った作品だ。

七井コム斎氏が「シャアがキレてる理由がいっこもわからない」と言うのももっともなわけだ。

こういう作品を、日本アニメ業界では、老舗、最大手のサンライズが、商業作品として作ってしまうのが信じられない。

逆シャアは、商業的には成功したらしい。そりゃそうで、88年にはまだ多くのガンダムファンが現役だったからだ。

それから30年も経ち、ガンダムファンは老い、亡くなる人もいて、すでに意味がわからなくなりつつある。

富野由悠季と安彦良和は現役だけどよ。

逆シャアだけではない。

宇宙世紀シリーズのガンダム作品は、作品相互間の依存性が強すぎて、新しい視聴者が参入できなくなっている。

今の世代が死んだら、「設定もストーリーもわからない、凄い手書きアニメ」になっていくだろう。1000年後には、ガンダムの解釈だけを専業にする学者が現れるかもしれない。源氏物語みたいに。