AV黒歴史:レーザーディスク:半永久とは永久の半分である

AVとはAdult Videoではない。Audio Visualのことだ。

昔、レーザーディスクという光ディスク規格があった。

レーザーディスク - Wikipedia

直径30cmの両面ディスクをぶん回して、表面のアルミ反射パターンを可視光レーザーでスキャンして、映像と音声を取り出して再生するのだ。

同時期に開発されたCDが、直径12cmだったのと比較すると、いかに巨大かわかるだろうか。ほぼLPと同じ大きさだ。

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昔の家庭用ビデオテープレコーダーは実に画質が低く、テレビ放送を録画してすら、不満足な画質しか得られなかったので、映画ファン、アニメファンはちは、食費を削って、レーザーディスクを買った。

しかし、このレーザーディスクは、使い勝手が悪かった。

エイヤっと本棚から取り出して、ディスクよりもさらに大きな巨大プレイヤーに入れて、いちおう「高画質」な映像を再生しても、1時間でひっくり返さねばならないのである。ここも、LPと同じである。音溝機械式音声記録が、レーザー光反射記録に変わっても、メディアの取扱は大差なかった。

しかも、レーザーディスクはよく再生不能になった。

接触光再生だから、いくら再生してもすり減ることはない。しかし、ディスクが巨大である上に、両面2枚のディスクを接着剤で張り合わせてあるので、反ってしまうことが度々あった。

蒸着アルミ膜が酸化することも再生不能の原因だった。

イオニアの「半永久記録」という謳い文句は、「実際は半分くらいは再生不能になる」という気弱なメッセージだったのだ。