林總氏の持ち家論の虚妄

税制も簿記会計も知らない一般人ならともかく、公認会計士であるはずの林總氏がいい加減なことを言うのは許せない。

「持ち家か賃貸か」「戸建てかマンションか」…ついに正解がわかった(林 總) | マネー現代 | 講談社(1/3)

人生の三大支出は住居費、教育費、老後資金です。収入が減少する老後に住居費と老後費用がダブルで必要になるというのは、かなりのマネープレッシャーです。

「老後費用」って何?ただの生活費じゃないのか?生きている限り生活費がかかるのは当然だろう。新たな出費ではない。

賃貸では生きているかぎり家賃が発生しますが、持ち家なら必ずかかる費用は固定資産税くらいのものです。

 分譲マンションの修繕積立金や管理費は?月2万円くらいかかりますよ。一戸建てだって、10年に1回くらいは水回りや外壁の補修が必要になり、エアコンや給湯設備の更新も含めると、100万円近くかかります。

持ち家に家賃が発生しないのは、家賃相当額を住宅購入費用という形で前払いしているからです。それで「持ち家は家賃がかからない」と喜ぶのは朝三暮四の猿なみですね。

また、定年までは賃貸で貯蓄をし、老後に現金で小さな家を買おうという人もいます。しかしそう簡単に住宅資金が貯まるとはかぎらず、老後資金が手薄になる可能性が大きくなります。家賃と住宅資金のダブルでお金が必要になるため、生活にも余裕が生まれません。

60歳で、500万円のリフォーム済み中古住宅を購入して、10年暮らすと、月額家賃は4万円くらいです。現役時代に、転居オプションを使っても、500万円余計に貯められない人は、どんな老後対策しても無駄では?男性の健康寿命が71歳なので、その後はどうでもいいです。

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資産価値が下がらない家を選べば、バランスシートはほどよくバランスし、貯蓄によって純資産が増えていきます。

 資産価値と、自分にとっての自宅の価値とは一致しないことがありますが、その場合はどうすりゃいいのでしょうか。どんだけ資産価値が高くても、座間から栃木まで2時間30分かけて通勤するのは嫌だね(日産座間工場閉鎖時にはそういう人がいた)。