老齢年金は60歳からもらい始めるのが正解

老齢年金は、受給開始時点を60歳から70歳までの間で選ぶことができます。

もちろん、先にもらい始めたら、月額受給額は削減されます。後からもらい始めるほど受給額が多くなります。しかし、死んでしまったらもらえない。

しかし、生きていればいいというものではない。

「70歳まで先延ばしが可能」それでも専門家が"年金受給は68歳から"というワケ 最短の60歳開始は損する恐れがある #POL

話にならない。

「平均寿命まで生きた場合に受給額が最大になる条件」

で計算したら、68歳受給開始が最大になるのかもしれないが、金の価値は60歳と70歳と80歳で同等ではない。

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年金受給開始年齢別の受給総額

このグラフでは、60歳受給開始グループは、65歳受給開始グループに、受け取り総額において、75歳で追いつかれる。それ以前は60歳受給開始グループの方が、年金をたくさんもらっている。

ここで、「健康寿命」という定義が難しい概念を持ち出す前に、生存率だけをみてみましょう。

https://www.sankeibiz.jp/econome/photos/200910/ech2009100700001-p1.htm

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簡易生命表

男性は75歳ですでに4人に1人が死んでます。

突然死ぬことはなくて、その前に健康水準が低下しはじめる。75歳時では、生き残りの3人に1人くらいは障害を持っている。

こういう状況で、「60歳開始と65歳開始とでは、75歳で年金受取総額がトントンになる」というもらい方だったら、さっさと先にもらった方が得でしょう。60歳で使う100万円と70歳で使う100万円とではまったく価値が違う。前者の方がずっと価値が高い。