大昔、メガネを作ったことがある。
眼鏡市場みたいなチェーンストアではない、メガネ販売店だった。
どうもピントが合わなくて、1週間後に別のメガネ店で見てもらったら、
「フレームに左右のレンズが逆に入っている」
そうである。
当然、無償で交換するのが筋なのだが、なぜか、その販売店の店員は、
「販売後の交換はできない決まりになっている」
と言い張って、何もしてくれなかった。
チェーンストアなら本社に苦情を入れるところが、そのメガネ販売店に苦情窓口はない。
そこで、消費者センターに苦情を言ってみた。
すると、その日のうちに、メガネ販売店から電話がかかってきて、
「申し訳ないことをした、交換いたします」
と言い出した。
企業は役所のタレコミに弱いのだ。
小売店ならタレコミ先は消費者センターだろうが、病院だったら、保健所や都道府県だろうし、交通機関だったら、国土交通省だろう。