森川光はなぜ底辺大学にすら受からなかったのか?

 

冬物語」の主人公、森川光が、冒頭で、馬鹿にしていた底辺大学すらスベってしまうくだりは、社会的に必然性がある。フィクションではない。同様のことが、日本中で起きていた。

1989年は、第二次ベビーブームによる18歳人口のピーク直前だった。しかも、同時に、進学率も急上昇した。

10年前に底辺大学と言われていた大学は中堅となり、中堅と考えられていた大学はトップクラスとなっていたのである。

あと数年後には、第二次ベビーブーマーよりもずっと巨大な第一次ベビーブーマーが、後期高齢者になる。かつて多くの若者が、大学入学にアブレたようなことが、老人福祉で発生する。とてつもなく悲惨な情況になるだろう。

https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kihon5/1kai/siryo6-2-7.pdf

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原秀則冬物語