電子カルテのカスタマイズを止めろ

電子カルテは、原子炉廃炉や除染よりもずっと悪質だと思う。除染は穴を掘って埋めるだけだが、電子カルテは、日本にとって有用なIT人材を浪費してしまうからだ。

何かシステムを入れる場合、まず、出来合いのシステムを利用することを考えるべきだ。プログラミングでは「コードの再利用」が大原則だ。

ところが、電子カルテは、各社がほぼゼロから作り始める。そして、他社とはまったく互換性がないシステムが出来上がり、さらに、顧客の要望に合わせて、年中カスタマイズされる。

これは、「車輪の再発明」を電子カルテの数だけやりなおしていることになる。無駄極まりない。

個別システムの改修をする場合、投入される人員と作業時間が不足しているので、テストは不十分であり、デバッグは十分に行われず、システムは不安定で、常に故障の危険性がある。

電子カルテに絶対に必要なのは、「記述と変更履歴のクラウド記録」であり、格納データは、プレーンテキストと画像だけで足りる。

書面作成や検査オーダリングや処方せん出力や会計やレセプトコンピュータとの連動など、中途半端な自動化はシステムに故障を持ち込む。

中途半端な自動化は間違いの元なので、要らない。手作業で十分だ。

手作業でも、紙カルテから保険点数を拾っていた時代と比較したら、ずっとましである。