街金の債権回収方法

ナニワ金融道 1

ナニワ金融道 1

 

青木雄二(故人)の初連載作品にして最後の作品となったナニ金は、緻密な実務描写で、マンガ界に衝撃をもたらした。

それまでのマンガに登場する街金(消費者金融)といえば、 債務者の前で、金を返せと喚く存在でしかなかった。マンガ家も読者も、借金の貸付と回収とは何かということがわかっていなかった。

債権は法で保護されているし、回収のためには、裁判所による強制執行が最終手段なのだが、裁判所を使うと時間と費用がかかるし、債務者には逃げられることがあるので、街金は別の回収手段を使う。

担保である。

担保は、不動産のような物的担保のこともあるし、連帯保証人のような人的担保のこともある。

ナニ金の作中では、街金屋たちは、担保権の行使を脅しとして使いながら、債権を現金で回収していく。担保権を実際に使うのは下策なのだ。

闇金ウシジマくん」は、ただ暴力と脅迫ばかり使っていて、頭脳戦の要素が少なくて、おもしろくなかった。

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ナニワ金融道