産業医:労働者の味方をしたらクビになる

私は産業医資格を持っている。

九州小倉の産業医科大学の集中講習で取得したものである。

実務経験はないが、そこで散々産業医の実態を聞かされた。

産業医の職務とは、労働者の健康管理である。そのために、月1回の職場巡視と労働者との面接と検診結果の管理と指導が求められている。

産業医が政府の雇用する公務員で、中立的立場にあるのならば、公正な判断ができるのだが、今の法律だと、産業医は事業所が雇うことになっている。

事業所の労働者が過労で病気になろうが、不適切な労働環境で労災になろうが、是正を強く雇用主に訴えることは立場上不可能である。

「連続3日の当直勤務?労基法違反だし、労働者が過労死しますよ」

などとしつこく抗議したら、

「あなたは来月から来なくていい。別の先生雇うから」

と言われるだけだ。

こんなに立場の弱い産業医に、労働者のために一体何ができるだろう。