私立薬学部に入学する人は情報弱者

薬剤師が転職して奨学金1200万円返す | 給料も時間も場所も家族もみんな大事だからね

ここ読んでるだけでも、私立薬学部進学が、どれだけ割に合わないかわかるだろう。

6年も大学に拘束されて、学費が1000万円から1600万円もかかるのだが、その逸失利益と学費はほとんど回収できない。

病院薬剤師の賃金は400万円、薬局薬剤師や店舗販売業の賃金は500万円である。

この数字を実現するために使う費用は、高卒単純労働者の賃金を年間250万円とすると、6年間で逸失利益1500万円、学費1200万円、合計で2700万円となる。

この費用を薬局薬剤師の賃金で回収しようとすると、2700万円を高卒単純労働者の賃金との差額250万円で割ると、10年以上かかる。税率の違いを考慮すると、もっと時間がかかる。

つまり、私立薬学部に進学して薬剤師になった人は、卒業後、10年かかって、ようやく、高卒バイトと同等になるのである。

研究コースに進んだ人は、もっと損である。就学期間は4年だが、大学院をでないと研究ポストには就けないから、最低でも2年間は大学院に学費を払うので、結局、薬剤師コースと同じ学費を支払わねばならない。費用は、逸失利益も含めて2700万円。

研究コースを出たあと、企業の研究部門に就職した場合、確実に年収は500万円を超えるのだが、理工農の院卒と待遇は変わらない。たとえ製薬会社でも、薬学部卒を特別扱いしてくれるわけではない。

理工農だったら、国公立に多くの学部があり、定員も多く、入学しやすい。研究者になりたければ、私立薬学部になど行かず、国立理系学部に行けばよかったのである。

彼らは何のために学費の高い私立薬学部を出たのか?結局、学費を余分に大学に支払っただけである。