直接、ポケットから出る金しか意識しないせいか、大半の人は、学費と生活費を賄えれば、進学できると思っている。
もちろん、卒業まではできるだろう。後で借金が残るにしても。
しかし、学費+生活費を進学費用の総額だと考えていると、卒後の所得が上がっても、なお、生活水準が、進学しなかった場合と比較して落ちる場合があることに気がつかない。
機会費用を考えていないからだ。
進学の費用は、以下のようになる。
学費 + 機会費用
この場合、機会費用とは進学しなかった場合に得られた所得のことだ。
生活費は進学してもしなくても同じと考えると、費用にはならない。
たとえば、大学に4年在学すると、高卒就職した場合の4年間の所得が機会費用となる。
高卒就職の所得は、手取りで、年間200万円なので、4年なら800万年、6年なら1200万円の機会費用が失われている。
こう考えると、学費に1200万円、機会費用に1200万円を使う、(6年制)私立薬学部進学が、どれだけ愚かな選択かわかるだろう。