この漫画は水準高い。購入して読むと、払ったお金の分は元が取れます。
しかし、漫画はともかく、現実の病院薬剤師は、教育投資の元がとれていません。
「膨大な勉強をしたわりには」とかではなくて、払った学費、費やした在学期間に失われた機会費用とを合計すると、もらっている給与では回収できないのです。
「のだめカンタービレ」におけるクラシック音楽みたいに、金持ちの道楽であるなら、そんなことを考えるのは野暮でしょう。しかし、政府が教育と試験と免許を管理し、配置義務を法律で決めている職業の教育費用が、20年働いても回収できないんだったら、職業というよりトラップでしょう。
*1:
高卒20代のフルタイムの手取り賃金は200万円で、6年制薬学部の学費総額は1200万円なので、薬科大学に6年通う費用は2400万円くらいです。病院薬剤師は年間400万円なので、手取り賃金は300万円程度であり、高卒就職と比較した場合の所得増加は100万円です。薬学部進学にかかる費用2400万円を回収するには、就職後、20年以上かかるのです。