都立広尾病院と言えば、東京都民でなくても名前だけは知られた有名病院である。この病院が、あまりにも明白な医師法21条違反(異状死届け出義務)をしていた。
直ちに死ぬ可能性がない患者が、突然、点滴ルートの腕の痛みを訴えて、急死し、かつ、看護師が消毒薬を誤って点滴した。
ここで、広尾病院が
「消毒薬と死亡との因果関係はまだ明らかでない」
とコメントするのは構わないが、病院は24時間以内の警察届け出をしなかった。
医師法 第二十一条 医師は、死体又は妊娠四月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。
この件で、病院が裁判で行った弁明は全く呆れる。
医師および病院にとって不利な報告を強制する医師法21条は、憲法で保証された黙秘権に違反し、無効だそうである。この主張は裁判所に一蹴されているので読んでいただきたい。
日本国憲法 第三十八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。