老人施設は終身契約よりも月極契約で

終身契約の施設から80代で出されたワケ | プレジデントオンライン

最期まで過ごすという契約であったが、違約金は発生しなかった。入居金を含め、何も返金されていない。

老人ホームにおける「終身契約」は、履行されないことが多い。

「当該施設で世話できないなら退所してもらう」という一文が必ず入っているからだ。

それを防ぐために、施設見学して調べろというこの看護師(保健師)は、頭が湧いていると思う。

施設や高齢者住宅を選ぶ際は、この点に注目する必要がある。まず、必ず実際に見学し、「認知症を発症している人がいるか」「認知症を発症している人も穏やかに暮らしているか」、この2点を、話を聞くだけではなく、観察する。

老人ホーム入居を間近に控える人が、手間をかけて施設を見学する余裕はない。本人はもうヨロヨロだし、家族だって忙しい。

しかも、施設の管理方針は前触れなしに変更される。明示的なルールではなくて、職員たちの属人的なポリシーで認知症への対応が決まっているので、管理者が変われば管理方針はガラッと変わる。

費用及び利用料(終身プラン) | 介護付有料老人ホーム 油壺エデンの園

入居日(鍵引渡日)の翌日から13年未満に契約解除の場合、入居日数に応じて入居日(鍵引渡日)までに支払う総額の一部を返還します。13年を経過している場合、返還金はなくなりますが、追加金をいただくこともありません。

 このように、契約解除した場合の返還金が規定に入っているかどうかが重要なのだ。

しかしながら、こういう契約がある分だけ、一時金は高くつく。

経営主体が破綻した場合は、一時金返還契約は履行されない。運営主体の信用リスクをヘッジするには、一時金が信託保全されていなければならない。

この場合も一時金が高くなる。

リスクヘッジをすると、当然、そのコストは自分が支払わねばならない。

私だったら、終身契約ではなくて、月極契約にする。

有り金はたいて終身契約をすると、ロックインされてしまって身動きとれなくなる。月極契約を更新していくなら、余裕資金を持っているから、途中で老人ホームを変える自由がある。

最終的には終身契約の方が得なのだが、損益分岐点が来る頃には、死んでいるか、重度要介護者になっていて、どこの施設でも、QOLなど変わらなくなっているだろう。