男女賃金格差100万円

図6 男女間賃金格差|早わかり グラフでみる長期労働統計|労働政策研究・研修機構(JILPT)

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フルタイム労働者の平均賃金(年)

男性賃金が伸び悩んでいるのと比較して、女性の賃金は着実に上昇し、格差は縮まってきてはいるのだが、それでも約100万円も差がある。

ここにはアルバイトやパートタイマーなどの短時間労働者は含まれていない。フルタイム働く一般労働者だけの統計だ。

要するに、女性がガッツリと働いても、年収250万円でしかないのだ。これでは独立生計は厳しい。

この差を上野千鶴子は次のように説明する。

女子の教育投資には、2つの市場があって、その1つは結婚市場。もう1つが労働市場。これまでの女子の教育投資はもっぱら結婚市場に向けられていた。理由は、労働市場で将来女性が到達できる年収や地位よりも、結婚市場を通じて夫から得る年収や地位の方が高い蓋然性があるからって(笑)。だから、高学歴になっても、結婚しやすい専攻分野に行くのよ。男を脅かさない女性と言ってもいいかもね。「女子力が高い」「教養のある才媛」が結婚市場では人気だから。

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しかし、結婚市場はすでに崩壊している。

生涯一度も結婚できない女性が2割に達するのだし、離婚されて独身に戻る女性も2割から3割くらいなのだから。

結婚生活の中身も問題で、「貧困専業主婦」の存在も指摘されている。完全に専業ではないが、年収100万円程度の低所得兼業主婦である。

「職業選択は子供の自由でいい」という親は、めんどうくさいから何も考えていないだけである。親が積極的に市場調査をして、キャリアを探してやらないといけないのではないか。