女性の所得が向上したので婚姻率が低下した

生涯未婚率上昇(婚姻経験率低下)が、貧困化のせいだという短絡的な主張が多いが、間違いである。

  1. 日本人1人あたり所得は増加し続けている。婚姻年齢である若年に限っても、可処分所得は増えている。
  2. 特に女性の所得増加率が高く、男性との格差が縮まり続けている。

図6 男女間賃金格差|早わかり グラフでみる長期労働統計|労働政策研究・研修機構(JILPT)

伝統的結婚とは、「男性が生活費の大半を負担し、女性が家事(特に育児)を分担する」というものだ。この考えは、昔からずっと変化していない。自分が生活費を負担するから、男性に育児をやってくれという女性はいない。

伝統的結婚が、男女所得格差の減少によって維持できなくなったから、結婚できなくなったのだ。女性の所得が向上したから女性が結婚しなくなった。ただそれだけのことだ。

女性の所得向上と男女格差の低下は、全面的に良いことなのだから、婚姻率の低下と、その結果としての出生率の低下は、避けることができない。

婚姻率低下はともかく、出生率低下は社会の維持に都合が悪いという人が多いのだが、出生率低下は、移民で補うことができる。

出生率を増加させようなんて不可能なことを議論するよりも、移民をどうやって増やすか、移民と日本人との文化摩擦をへらすにはどうしたらよいかを考えるべきだ。

私は、言語習得前の子供を海外から輸入する「こども移民」がいいと思う。特に第三世界ではこどもが余っていて、捨てられたり、飢餓や病気で死んでいるのだ。政府がこどもを輸入して、施設で育てたら、他国からは称賛されることだろう。