合理的な生命保険会社は作れない

生命保険のカラクリ (文春新書)

40年ぶりに設立された、独立新規生命保険会社、ライフネット生命の副社長だった著者が、生命保険業界の業界事情を淡々と語る。

著者の優秀さ、誠実さは疑いようがないのだが、疑問が湧く。そもそも、「良い生命保険会社」とは何なのだろうか?

著者は、ネット販売で広告営業経費を削減し、商品を単純化して、消費者に利害得失をわかりやすくした。15分で契約が完了するライフネット生命のウェブはすばらしい。

しかし、ライフネット生命の業績は大して良くないのである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E7%94%9F%E5%91%BD%E4%BF%9D%E9%99%BA

新規契約数が急減している。

ネット生保の新規契約に占めるシェアは、すべて合計しても、2%でしかなく、市場が成熟するには早すぎる。

生命保険加入者は合理的ではないのである。

生命保険加入者は、営業にカウンセリングされて精神的満足を得ているという側面があり、占い師の顧客と大差ない。