無償奉仕させられると誰でも嫌になる

知人に聞いた話。

両親と小学生の姉妹で、4人で暮らししていた。両親が交通事故に遭って、父親は即死、母親は意識不明、重体になった。母親は、その後、運良く回復して、1ヶ月後には大した障害もなく退院できたが、当初は、死ぬか、重度障害が残る可能性もあった。

親が意識がない状況では、子供たちの世話を近所の親戚がやるしかなかったのだが、親戚の態度がガラッと変わって、辛く当たられて、トラウマになったという。

親戚同士で厄介者を押しつけあったり、「施設に入れろ」と主張する人がいたり、「どうしてこのくらいの家事ができないんだ」と叱られたりしたらしい。

親戚たちだって、普段の生活に余裕があったわけではないのだから、いつまで続くかわからない子供の世話を、突然、対価なしでやらされたら嫌になるだろう。

日本全国で、老人介護に関して、同じことが行われているわけだ。

この交通事故のケースだと、親が死んだり重度障害を負っても、生命保険や自動車保険の保険金から、世話をした対価をもらうことができたはずなのだが、そこまで頭が回る人がいなかったらしい。

私の親戚でも、シンママと兄弟2人の3人家族で、シンママが交通事故(自損)で死んでしまったので、賃貸の自宅は引き払い、親戚宅に引き取られたことがあった。

このケースでも、生命保険から相当の金が出たのだが、引き取った家では、子供の生活費を請求するという発想がなかったらしくて、ひどい扱いをを受けて、子供二人は、中卒で、早々に家を出て就職してしまった。

親を亡くした子供は、親戚の世話になるよりも、児童養護施設に入る方がよほどマシだと思う。