私は大学院に入学しながらも、ラボで指示された研究をすることを拒否して、しかし、中退せず、そのままずるずると在籍を続けて時間と金を無駄にした。 後から考えたらこんな愚かな行動もないのだが、その時にはどうしたらいいのかわからなかった。 私に必要…
高齢になると、温度感覚がおかしくなる。 寒さには敏感なのに、暑さには鈍感になる。 エアコンを止めるばかりか、暖房にしていたりする。厚着をする。電気アンカやカイロを使う。室温は35度を超えている。 高齢者は高温を好むとはいえ、生理機能は若い人と同…
二度目の予備校生活は、一度目よりも、さらに短かった。1ヶ月で終わってしまったのである。 この辺、自分の判断がめちゃくちゃだとわかる。 自習できるのに予備校に二度も通って中退し、実験科学にはもはやなんの興味もないのに、ラボに出てみたりというよう…
親の金で入った予備校だったが、バカバカしくてすぐに通わなくなった。自習できるからである。 ところが、自習しているうちに、やっぱり、大学院に戻って研究仕上げて学位とってから、医学部に入った方がいいような気がしてきていた。何かもったいない気がし…
古巣の講座に戻っても、パフォーマンスは上がらなかった。 実験をすると、すぐに疲れるような気がして、時たましか実験できなくなった。通常だと2週間でできる合成プロセスに3ヶ月くらいかけていた。 もちろん、これで卒業できるはずがないので、指導教員に…
今から考えると、AをやらねばBができない、だからBはやめるべきだという発想は極論であって、Bを形だけでも進めながら、Aをやるべきだと思うのだが、そんな思考の柔軟性はなかった。 すぐに、ラボには行かなくなった。 大学生協で、手当り次第に、物理学や理…
記憶がまだ鮮明であるうちに、記録しておきたい。 私は1994年4月に、東京大学大学院薬学系研究科に入学した。 所属ラボは「医薬分子設計学講座」だった。 計算化学の手法で、有用な医薬分子をデザインしようという意欲的な研究をする講座だった。 学部4年の…