大学院生の頃(5)

二度目の予備校生活は、一度目よりも、さらに短かった。1ヶ月で終わってしまったのである。

この辺、自分の判断がめちゃくちゃだとわかる。

自習できるのに予備校に二度も通って中退し、実験科学にはもはやなんの興味もないのに、ラボに出てみたりというようなことを2回繰り返している。

すでにテンパっていたわけである。

大学院生4年目の秋には、指導教員から、

「私はもう定年退官だ。後任者が来るが、あなたが続ける気があるなら、新しい教授と面接してほしい」

という連絡があった。私は面接せずに、退学を選んだ。

結局、大学院に4年学籍を置いて、何一つせずに、時間と学費と生活費を浪費したのである。国立大学の学費がいくら安いといっても、4年在籍したら、200万円になる。

その上、大学受験予備校には2回入り、学費を払い込んだ上で通わなかった。これらは合計で120万円を超える。