人は劣等感を持っていることがらに敏感になる

生活保護世帯は「貧乏人」という言葉を侮辱だと思う - inoue04のブログ

私はメニエール病の後遺症のため、片側の耳が若干遠い。そのため、周囲が「耳の遠い人」の話をしていると、自分に関係なくても、妙に関心を持ってしまう。自分が話題にならないかと恐れているのだ。

私の母は、家業において、自分の貢献度が低いことに、極端な劣等感を持っていた。実際、母の担当部門はまったく儲かっていなかった。損益計算をしたら、廃業した方が良かったくらいだった。

このため、当時高校生だった私が、母の仕事が儲かっていないことを話題にして、

「でも、お母さんは、自分の仕事を生きがいだと思って続けているのではないの?」

と言ったところ、母は、「生きがい」を「趣味」と聞き違えて、激怒したのである。

隣にいた弟が、

「お兄ちゃんは確かに生きがいと言った。趣味とは言ってない」

と訂正しても、一切、耳に入れず、子供の前で、何時間も泣き叫んだ。

「私は馬鹿にされている」

というのも、母の常套句である。

「自分は人に馬鹿にされているんじゃないか」

という恐れがあるから、自分に関する論評は、すべて、自分を馬鹿にしていると認識するのだ。