インフルワクチンが不足した年があった。
以前に勤めていた医療法人では、インフルワクチンを
1.ぜひとも媚を売りたい施設、患者
2.どうでもいい施設、患者
3.医療法人職員
の順に接種していた。
私は「まず、医療職が先で、患者は後でしょう」と経営者に進言したのだが、顧客に媚を売ることしか頭にない経営者は、職員にワクチンを回そうとしなかった。
手に入ったインフルワクチンを、患者向けだといって抱え込み、ワクチン未接種の医師と看護師を、インフル患者の待つ施設に行かせていたのだ。
その結果、職員2人がインフルで倒れてしまった。あの時、さらに、2名くらいがインフルを発症していたら、全面的に業務は停止していたと思う。
私はたまたま在庫を持っていた別の診療所に行き、自費でインフルワクチンを接種したので、罹患しなかった。
インフル流行のために医療法人が休業したら、医業収入減少は当然損失だが、定期診療中の患者にとっても、大変な迷惑なので、絶対に避けねばならない。
私がこの法人をやめようと思ったのは、これがきっかけだった。経営者の頭の悪さに我慢できなくなったのである。