名前詐欺

光通信」という会社がある。名前から想像するに、光デバイスを使用したハイテクで、高速通信や計算をする会社のような気がする。

全く違う。

光通信 (企業) - Wikipedia

ここは、もっぱら、携帯電話の営業を請け負う会社でしかなかった。

しかしながら、株式会社「光通信」は、投資家が企業名で企業実態を誤認したことで、株価が実力以上に高騰したという。

「薬剤師」とか「薬学部」も、「光通信」と同様の名前詐欺である。

薬剤師は医師と比較して、大して薬に詳しい人々ではないし、薬学部は薬の研究開発をしているわけではないのである。

薬剤師よりも、医師のほうがずっと薬に詳しい。

薬学部よりも、医学部の方が薬の研究に関与している。

今回のCOVID-19問題でも、医薬品やワクチンのことで、マスコミで発言する人は、もっぱら、医学系の人々である。薬学系はまったく発言しない。彼らは薬の専門家ではないから、知識がないのである。

薬学部教員とは、薬とは直接関係しない基礎研究をしている教員ばかりであるが、「薬」を講座名や科目名に多用する。それは、文科省の薬学教育基準を建前だけでも満足させるためでもあるし、外部の人間に対して、名称誤認させるための方便でもある。

たとえば、私は「薬品製造化学」「薬品合成化学」「薬化学」とかいう科目で、有機化学理論の講義を受けていた。中身は理学部化学科や農学部農芸化学科や工学部合成化学科で教えていることと何ら変わらない。

実習も同様である。実習科目名にはすべて「薬」が入っているのだが、単なる合成実験だったり、分子生物学テクニックの実習でしかなかった。

しかし、内部関係者は、ことさら実情を公言することはない。自分のポストが危うくなるからである。

 横浜薬科大学 薬学部

たとえば、ここに書いてある「教育理念」とか「方針」とかは、ただのポエムである。実現する見込みはないのである。