@niftyはmixiになりそこなった。

インターネットが普及する前、電話回線にモデムという装置をつないで、2.4-14.4kbpsくらいの低速データ通信が行われていた。

いわゆるパソコン通信である。

最大手は日商岩井富士通合弁会社が設立したNifty-Serve(後に@niftyと改称)だった。

WWWが普及し、さらにADSL解禁によって、画像や音楽、ときには動画までが電話回線で送受信できるようになったので、パソコン通信は滅びたと言われている。

しかし、どうもこのことは正確ではない。

@niftyの経営者にやる気と先見性があったら、@niftyは、最初期のSNSサービスとして、再出発できる可能性があった。

実際、mixiという@nifty残党が大量に流れ込んだSNSサービスが、2000年ごろには栄えたのだ。mixiのシステムは@niftyとほぼ同じだった。固定のハンドルネーム(ID)が与えられて、趣味嗜好ごとにBBSが作られていた。

@niftyFacebookにはなれなくても、mixiくらいにはなれた。

@niftyの絶頂期には200万もユーザーがいて、しかも、当時のユーザーは、まだ高価だったMS-DOSパソコンを保有いていて、サービス対価の支払い能力も十分あったのだ。

ホリエモンが、あと5年速く、ウェブ企業の経営者として世に出ていたら、@niftyを買収してSNSを作っていただろう。